昼から予定があったので午前中は在宅した。なんとなく思い立ってキッシュを作る。タルト生地を作るのは面倒だったので冷凍のパイシートを使った。具を炒めるのも面倒だったのでレンジで加熱したものをそのまま入れた。それでも大体いいように出来る。だけどまあ、次回はきちんとタルト地を焼こう。
最近モバイルSuicaを導入した。自分のiPhoneでは使えないような気がしていたがそんなことはなかった。これでパスケースを持ち歩かなくていいし、残額が気になって券売機に並ぶ必要もない。やっとである。2022年。去年よりも身軽に生きる。
半年ぶりの金沢は雪のしんと冷たい街をたくさんの人で賑わっていてとても良かった。裏日本の実際はなんといっても冬にある。水分の多い雪が延々と降っては積り、積もっては緩んで凍る。鬱々とした曇天が続く。それに加えて金沢という都市は天候が目まぐるしく変わりすぎるのが面白い。新潟と金沢はよく比較の題材にされるが、金沢に比べれば新潟はもう少し天候がいいと思うし、城下町と新興の平野ではそもそもの地盤が似ていない。それでも空気感のようなものは似ている。あと金沢には大和があるのが新潟市民的に郷愁を誘う(富山にもあるらしいが)。
東京に戻ってきたら雪はもちろんないし太陽は明るいし人間ってこんなにいるのかという驚きで不思議な気持ちになる。空気の乾燥に手指があっという間にささくれてうまく動かない。色んなことを考える。今年ももう終わる。
一昨日本郷のあたりをぶらぶら歩いた。年始のためにまだ相当の店は閉まっていた。謹賀新年の貼り紙を幾度も見ながら坂を下りて白山通りに出ると、都心へ向かうにつれて結構な人出にあった。神保町で本を買おうと思ったがやめて戻り、また坂を上った。珈琲豆を買おうか迷ったが、出直すことにした。
昨日は「燃ゆる女の肖像」を見た。途中までは「面白いけど好きかと言われるとどうだろう」と思っていたけれど、ラスト十数分で完全にやられた。見る者と見られる者。両者はどこまでも対等だ。エロイーズは美しい愛を抱えたまま黄泉から戻らないことを選んだのだろう。それを死とは呼びたくないけれど、ひとつの終わりは悲しい。
帰りに皇居のあたりまで行ったら人は全然いなかった。鴨がゆったりと泳いでいる水にあかるい空が映っている。そのひらけた空気を吸って電車に乗った。