Twitterを見なくなり、ネットニュースを見なくなった結果、美術館やNASAの記事を見る時間が増えた。ナショジオの定期購読を随分前にやめたのだが、ニュースレターだけは受け取っている。目を通すとやはり面白い。購読したいが紙の本は嵩張るのが難点だ。英語版のKindleがあるといいのだが。
速報性からは離れるがナショジオキッズをなんとなく読んでみる。サイトの更新頻度がわからないが、現在のトップにはチリについての記事がある。簡潔な内容だが無知の者には結構面白い。首都近郊には全人口の四割が居住しているそうで、郊外の子供たちは通学に時間がかかるため朝が早いとある。日本でも中学高校が遠すぎることはままあるが、チリも同じような感じなのだろうか。小学校が遠いのだとしたら相当大変だ。
またチリの先住民族マプチェ、wikiによればその名前の由来は彼らの言語で大地(Mapu)に生きる人々(Che)だという。とてもいい響きだ。チェ、という言葉は隣国アルゼンチンの雄ゲバラの愛称を思い出すが、あちらはスペイン語か。入植者たち、彼らと争った民族。様々の血と動乱の歴史を持つ南米の地に想いを馳せる。
モバイルSuicaのクレジット連携をやめた。理由はカードの請求額を見るたびに驚いてしまうからである。一回1万円を月に2回チャージしたらそれだけで2万円も加算されてくるので心臓に悪い。ATMから現金チャージしてその場で精算される方が心の健康には良い(当社比)。
気候が良くなって規制が緩和されて学校へ行く人々、在宅勤務が解除されてしまったのであろう人々、外出を楽しんでいる人々と一緒くたになって毎日電車に乗っている。つらい。多分お互いにそれぞれみんな、つらい。でも私は私の痛みしかわからないから、この3年間在宅と無縁でひと気の少ない東京をひたすら徘徊した(ある種快適な)体験を経て今とてもギャップに苦しんでいます。と言う顔をして電車に乗っている。絶対に立ちたくないから始発駅までわざわざ戻って乗っているんだけど、さすがに我ながら何やっているんだかわからない。もはやなにも。
”青痣が残る目の堰が切れた。家の裏、うち捨てられたオイル・タンク、一面の雑草、木の幹。人々が暮らし、去った場所。イーストは涙が涸れるまですすり泣いた。しかし、だからといって、実際には何も変わらないのだ。どんな言葉を聞いても、どんな光景を見ても、どんな思いを抱いても。筋肉のいたずらだ。涙腺が緩んだだけだ。”
Bill Beverly「東の果て、夜へ」早川書房
精神の調子が悪い時は何一つ面白くないし、いい時は最高に面白く読めるのがブコウスキーだと思う。何というかブコウスキー全般、ゼリーのカップに手を突っ込んでひたすら潰しまくった挙句、気付いたら全部溶けて液体になっていた時の虚無に大笑いしたい人生の人向き。
秋口に撮った写真。目的も内容もなくて、どこへ載せる理由もないけれど記憶としてここへ。当時は少しずつ日の傾きが早くなるのを感じていた。この頃はまた日の沈みが遅くなってきたように感じる。雪が積もるでもなく、秋と冬にどれほどの違いがあったとも思わないが、確かに季節は移ろっているようだ。
相変わらず読書である。「ホビットの冒険(下)」を読み始めてもう後半へ来てしまった。湖の町を襲ったスマウグが倒されたところ。バルドが先祖伝来の黒い矢をつがえ、スマウグを倒さんと狙うシーンが本当にすごい。映画版の演出もとても良かったけれど、原作は一層神話的で、英雄伝説の趣がある。
これを読み終わったらどうしようかなあと考えていて「ゲド戦記」なども候補にしていたのだけれど、やっぱりまだまだ中つ国に居たいと思い「指輪物語」を注文した。その昔一巻で挫折したので不安がなくもないが、映画を全作見てホビットも読んでいる今なら大丈夫そうな気がしている。いずれにしても大箱がやってくるのだ。全巻セットが。