家に帰ってきてまた数十分とかで出かけなければならない時があって、暑いけど「すぐ出かけるのに靴下を脱ぐの面倒だな〜」と思って我慢しそうになったのだけど、よく考えたらべつに脱いだってまた履けば良いんだよな。サンダルに履き替えたって良いんだし。そう思い直して、靴下は洗濯カゴに放り込んだ。
できる人にとっては当たり前のことかもしれないけど、自分はこういうのが結構難しい。履き直す方が面倒な人は脱ぐ必要はないけど、嫌なら脱いでおけばいい。逃げてもいいじゃないけど、選択することに対してポジティブになりたいね。家の床は素足が快適だ。
ボンドエア、シャーロックが乗るはずだった飛行機、墜落を待つユーラスの孤独な旅。SHERLOCKにおいて飛行機は最初からずっと死出の旅であった。スティーブン・モファット、あるいは「彼ら」が飛行機という小道具に惹かれるのはなぜなのだろう。実際的な別れはこの小道具によっては生じないけれども、潜在的な、観念的な意味での旅立ちは常にここにある。ホームズはかつて19世紀で滝壺に落ちたように、21世紀ではビルから落ちた。落ちて死ぬのは肉体だけではない。飛んでいるものはいずれ落ちる。ジム・モリアーティが望んだように。幾度となく折り込まれるのはそうした摂理への冷めた目線であり、そうはなりませんように、という祈りにも見える。
花粉の時期になってきたので、いつもの耳鼻科に行って薬を処方してもらった。医院は全然患者がきておらず、私の他に一人しかいなかった。近所に同じような診療をする病院があって、どうもそちらの方が評判がいいらしい。こちらの先生はよく言えば気さくで、悪く言えばがさつな人なので、人によっては合わないと感じるのだろう。私は別段いやな思いをしたこともないので、空いているのをありがたく通っている。
帰り道、入試を終えて帰宅する一団と一緒になった。そういえば、そんな季節なのだと気がつく。今は年中大して代わり映えのしない生活をしているけれど、学生の頃は色んなイベントに揉まれながら常に先へ、先へと向かって生きていたのだなあ、となんとなく思い出した。春先の夜は霞んで明るい。
SXSWでの上映にイライジャウッドが来ていてマジかよ〜〜となった話、ただただ楽しそうで良い。