ノヴァーリスの「青い花」(岩波赤)がKindleにあるのだが、試し読みをクリックすると「岩波版のサンプルはないのでペーパーバック版(独語)を出しときます」と表示されて原著を見せてきたので笑ってしまう土曜。
今月は読了本が少ない。プラハの墓地が長いからだと思う。しかしこちらも大体60%まで来た。シモニーニの語りは偏見に満ちていて読み物としては決して美しくはないのだけれど、奇妙に愉快だ。今は偽造文書を売りつけようとしたら小説のネタにパクられてしまったところなのだが、ここからどうなるのか。
指輪物語は9巻まで読み終わった。ホビット庄に戻ってからの騒動は映画では描かれなかった内容なのでこんな続きがあったのか、と面白く読んだ。サルマンもこんな最後とは。港での別れのシーンはやはり涙してしまった。追補編も読み終えたら、改めて映画を観よう。
フォームへの回答も、ありがとうございました。あらすじを見て中々凄そうだなと思いました。折を見て読んでみたいです。
昼から予定があったので午前中は在宅した。なんとなく思い立ってキッシュを作る。タルト生地を作るのは面倒だったので冷凍のパイシートを使った。具を炒めるのも面倒だったのでレンジで加熱したものをそのまま入れた。それでも大体いいように出来る。だけどまあ、次回はきちんとタルト地を焼こう。
モバイルSuicaのクレジット連携をやめた。理由はカードの請求額を見るたびに驚いてしまうからである。一回1万円を月に2回チャージしたらそれだけで2万円も加算されてくるので心臓に悪い。ATMから現金チャージしてその場で精算される方が心の健康には良い(当社比)。
気候が良くなって規制が緩和されて学校へ行く人々、在宅勤務が解除されてしまったのであろう人々、外出を楽しんでいる人々と一緒くたになって毎日電車に乗っている。つらい。多分お互いにそれぞれみんな、つらい。でも私は私の痛みしかわからないから、この3年間在宅と無縁でひと気の少ない東京をひたすら徘徊した(ある種快適な)体験を経て今とてもギャップに苦しんでいます。と言う顔をして電車に乗っている。絶対に立ちたくないから始発駅までわざわざ戻って乗っているんだけど、さすがに我ながら何やっているんだかわからない。もはやなにも。
外へ出た途端空気の暖かさに驚く。本当に一月なのかと思うくらい、殆ど春に近いような外気だ。駅へ向かう途中で、生垣の山茶花が枯れ始めているのを見つけて妙な気持ちになった。ぬるい空気に乗って、ガソリンスタンドからオイルの匂いが漂ってくる。それからたばこ。どこで誰が吸っているのだか、ここからは見えない。
駅へ着くと、ホームの壁に大きな窓が取り付けられていることに気づいた。殆ど屋外といって差し支えない駅舎である。一体なんの必要があるのだろうと不思議に思った。窓は大きく開け放たれ、壁の内側と外側とで空気を入れ替えているらしかった。今まで一度も訝しんだことはなかったのに、多分、この季節感のない陽気のせいだろう。見て感じる全てが幻覚のように思える。家の近くまで来た時ふと消毒薬の匂いがした。アルコールの冷たい匂いは今日一番冬に似ていた。