私が日記を書こうとすると「最近○○していない」とか「できていない」とか未処理案件ばかり羅列して「だからなんなのか」という話になりがちである。今「映画館に全然行けていない」と書こうとして得た気付きなのだが、これはひとえにGOG Vol.3を見に行きたいのに見に行けていないからだ。でも少し前に黒鉄の魚影は見に行った。蘭おねえさん(丁寧語)がバルコニーから飛び出すシーンが派手すぎて「俺はマーベルを観に来たんだったか?」という気持ちになったし、最高に良かった。何にせよ、哀ちゃんもジンの兄貴も一生推せますね。
最近アンディ・ウィアーを読んでいるから自分の文章もあのスピード感に引きずられて前のめりになっている気がする。が、悪いことではないと思うようにする。日記をグダグダ書いても仕方ないので。
足が重い。体が怠い。会社を出て家に帰るまで何千マイルも歩かなければならないような気がしてくる。暑い。初夏じみた夕日が行く手のアスファルトを不必要に温めているのが見える。延々と続くその上を否応なく歩く。重力によって路面に吸い付く足裏を嫌々持ち上げては下ろす。脇をすり抜けていく自転車。どうしてこんな、大気と地表の間を徘徊しているのかよくわからない。
長く続く道を歩き続けていたらいつかアメリカにいるかもしれない、と働かない頭が夢想する。延々と続く道はいつか乾いた風に両側が開け、そのうち「66」の看板を掲げたロードサイドのコーヒーショップが姿を見せる。70年代(70年代というのはニュアンスに過ぎない、前後十年程度、70年代だろうと思っている)から営業していそうな、最近出来た店。ひとときの喧騒を通り過ぎると、再び何もない国道に出る。目的地であるところの我が家はもうすぐだ。と思っていると、広野に突如として現れた20年代風の小さな家に辿り着く。少しだけ開いたキッチンの窓からガンボの匂いがしている。疲労に疲労を重ねて帰路を辿ってきたけれど、いつの間にかルイジアナまで来ていたのだ。ルイジアナ。なんという長い道のりであっただろうか。しかしまあ、それをやってのけたのである。そう思って、充足した気持ちで玄関ドアを叩く。夢の中で全然知らない人の家に帰ってきた時の不可解な正当性を持って。
SXSWでの上映にイライジャウッドが来ていてマジかよ〜〜となった話、ただただ楽しそうで良い。
SNSを見ていると常に誰かが怒っている。政治に、あるいは見も知らぬ誰かの発言に。自分の意見を明瞭にしておくことは大切だが、怒ること自体を目的に持ってしまうのはあまりに虚しい。他者への批判は自己を正当化するためにあるのではない。感情の赴くままに否定したり、肯定したりもしたくないし、誰かのそうした行為を受け取りたくもない。
チョコレートである。フェアトレードマークというものについては、それが本来の目的を厳正に果たしているかという点において、あまり信用していない。かといって自分が直接的に何かするのも難しいので、そこは信頼できる企業を見つけ、消費者として選択していきたい。Tony’s Chocolonleyが気になっていて、日本でも入手しやすくなってくれたらいいなあと思っているところ。
春の風の瑞々しさは、あたらしい果物を噛んだ時のそれに似ている。ほんの少し雪が降ったかと思えば、瞬く間に気温は上がり、そうかと思えば雹が降ってみたりもする。春はもうこの土地に戻ってきたのだけれど、まだ荷ほどきをせず、生きている者たちの様子を観察しているのかもしれない。強い風を吹かせ、時折はまた寒気のために道を開ける。二月の終わりにさえ、雪が降ったことはあったのだから。
ところで、今日が節分というのは人に聞くまで知らなかった。何がなんでも二月三日というわけではなく、立春の前日のみをそう呼ぶとは!
帰りがけにスーパーを覗くと、みんな恵方巻をカゴに入れていた。関東で恵方巻を食べるようになったのはここ十数年程度ではないだろうか。しかしそう考えてみると、イベントとしてすっかり定着したのだなあとも思う。いずれにしても献立に悩む必要がない夜というのは大変ありがたいものだ。それだけでも歳神の方を向いて、御礼を言いたくなるものである。
そんなわけで全巻セットを無事受け取る。地図付き!嬉しい。
昨晩はAmazonプライムで「GET DUKED!」を見た。エディンバラ公主催の「都会の若者を田舎に連れ出す」企画に参加した男子高校生四人の珍道中。メンバーは不良三人と、真面目な一人。適当に終わらせて帰るつもりが、謎の「公爵」に命を狙われ……というストーリー。自国民と王室にも容赦しないイギリス人のブラックユーモアが全編に渡り炸裂している。言うなればブリテンスピリットの塊である。引率の教師役がSHERLOCKでアンダーソンを演じたジョナサン・アリスで、個人的には嬉しい邂逅だった。
高校生の他にハイランド住民の高齢者たちがゾロゾロ出てくるのだが、これがまた元気いっぱいで良い。「ロンドンゾンビ紀行」(高齢者たちがゾンビと戦う)を彷彿とさせるテンションの高さ。見習いたい(?)。
https://www.soup-stock-tokyo.com/yearcup-2021
ポイントが貯まったので交換してもらった。2020年の食事はスープストックにお世話になることがとても多かった。一人で静かにサッと済ませられるのがありがたい。カレーとスープのセットにレモネードを付けるのが定番。最近は通販のレトルトを利用したり、お店の味を思い出して自分で作ってみたりしている。イヤーカップは初めて入手した。最初の一杯はどんなスープにしようか考えている。